ピルは、主成分として配合されている女性ホルモンの種類やホルモンの配合比率、休薬期間に飲むプラセボ錠の有無などによってさまざまな種類があります。
また、副作用などを理由にピルの種類を変えることが可能です。
ただし、ピルの種類を変える際には切り替えのタイミングをはじめとしたいくつかの注意点があるので、事前に知っておきましょう。
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ピルの種類変更を検討するまでの目安
ピルを飲み始めたばかりのころは、副作用が現れることがあります。たとえば、頭痛や吐き気、そして食欲亢進やむくみなどによる体重増加など。
そんな副作用の中でも特に多いのは、不正出血です。特に低用量ピルの服用では、25~30%くらいの確率で起こると報告されています。これは、ピルによってホルモンバランスに変化が起こっているためです。
これらの副作用はピルの種類を問わず起こり得ることです。そのため、「副作用が出たから種類を変えよう」と、服用開始から数日で切り替えるのはおすすめしません。
こうしたことから、多くの場合は少なくとも1シート分は同じ種類のピルを服用します。また、2~3シート目になると副作用が気にならなくなることが多いです。
切り替えるタイミング
しばらく同じピルを服用したけれど、種類を変えたいと思った場合は1シート飲み切ったタイミングで切り替えましょう。
ピルは、休薬期間も含めると1シート28日周期なので、休薬を終えた29日目から切り替えるということになります。
もちろん、スムーズに切り替えられるように新しい種類のピルのシートは事前に用意しておきましょう。
このピルの種類の変更するタイミングは基本的なものなので、ピルの世代(第1世代、第2世代など)や相性(1相性ピル、3相性ピル)を問わず共通です。
21錠・28錠タイプの切り替えも同様に
ピルの種類自体は変わらないけれど、プラセボ錠がある28錠タイプとないタイプの21錠で切り替えたいという場合もタイミングは同じです。
1シート飲み切り、新しいシートになるタイミングで変更しましょう。
低用量から超低用量ピルに変える場合の注意点
PMSをはじめ、生理にまつわる悩みの改善のためにピルを服用している場合、低用量ピルから超低用量ピルへの種類変更を行うことがあります。この場合は、ピルの種類を切り替えるタイミングに十分な注意が必要です。
低用量ピルから超低用量ピルへ切り替える場合は、出血した初日から新しいシートを飲み始めます。出血予定日に出血がなかった場合も、休薬期間を設けずに新しいシートのピルを飲み始めてください。
低用量ピル同士の種類変更であれば7日間の休薬期間後が切り替えのタイミングとなるので、同様に休薬期間を設けて良いと判断しがちですが、それは間違いですのでご注意ください。
超低用量ピルを飲み始めた場合も、最初は不正出血が起こりやすい傾向ですが、低用量ピルと同様に次第におさまってきますので服用を継続してください。
あわせて、避妊目的で低用量ピルから超低用量ピルへの種類変更はできないことも知っておきましょう。超低用量ピルは、国内で避妊効果が認められていません。
シートを切り替えるタイミングで服用時間の変更も可能
ピルの種類を変えるのと同時に、服用時間も変更したいという場合は、新しいシートを飲み始めるタイミングで服用時間を変えることが可能です。
ただし、服用時間が12時間以上空いてしまうと避妊効果がなくなったり、思わぬ副作用が現れるタイミングがあるので注意しましょう。
重い副作用が出る場合は早めの切り替えも
不正出血の時期があまりに長すぎる、出血量が多すぎる、日常生活に支障をきたすほど体調が悪いなど、副作用があまりに強い場合は早い段階でピルの種類を変えることもできます。
ただし、自己判断ではなく医師へ相談の上で切り替えるようにしてください。
重い副作用は血栓症のサインである可能性もあるため、ピルの服用自体をやめなければならないケースもあるためです。
重い副作用が出ているにもかかわらず、無理に服用することは避けましょう。