※ピルは必ず医師による受診を受けてから服用するようにしましょう。

女性のお悩み

生理でレバー状の血の塊が出る原因は?受診の目安と対処法

生理中、ナプキンやトイレで「レバー」のようなドロッとした血の塊を見て、ギョッとした経験はありませんか?「これって普通なの?」「何か悪い病気なんじゃ…」と、誰にも聞けず一人で不安になっている方も多いかもしれません。

結論から言うと、生理中に多少の血の塊が出ることは、多くの女性が経験する正常な現象です。しかし、その大きさや頻度によっては、体が発している重要なSOSサインである可能性も隠されています。

今回は、産婦人科医監修のもと、レバー状の血の塊が出るメカニズムから、心配ない塊と注意すべき塊の見分け方、そして隠れている可能性のある病気や日々の対処法まで、あなたの不安を解消するために徹底的に解説します。

生理に関する悩みは、非常にデリケートで個人差が大きいものです。この記事が、ご自身の体の状態を正しく理解し、適切に対処する一助となれば幸いです。

なぜレバー状の血の塊が出るの?その正体とは

まず、あの「レバー状の塊」の正体が何なのかを知ることで、漠然とした不安を解消しましょう。

塊の正体は「剥がれ落ちた子宮内膜」

生理とは、妊娠に備えて厚くなった子宮内膜が、妊娠しなかった場合に剥がれ落ちて、血液と一緒に出てくる現象です。

塊の正体: 剥がれ落ちた子宮内膜の組織片が、経血と混じり合ったもの。 ・出る理由: 通常、膣内では血液を固まりにくくする酵素が働いていますが、経血の量が多いと、その働きが追いつかなくなります。その結果、排出しきれなかった経血が膣内で固まり、塊となって出てくるのです。

つまり、レバー状の塊が出るということは、「経血の量が多い」というサインなのです。

【参考データ】 生理中の経血量と血の塊に関する調査(2023年) ・正常な経血量:20〜140ml/周期 ・過多月経の定義:140ml以上/周期 ・血の塊を経験したことがある女性:約70% ・過多月経の女性のうち、血の塊が出ると回答した割合:92%

【セルフチェック】心配ない塊 vs 病院に行くべき塊

全ての血の塊が問題なわけではありません。以下のチェックリストで、ご自身の状態を確認してみましょう。

これは心配なし!生理的な血の塊

□ 大きさが500円玉(直径2.5cm)より小さい。 □ 生理の2〜3日目など、経血量が多い日に時々出る程度。 □ 色が赤〜暗赤色。 □ ひどい生理痛や、その他の不快な症状は特にない。

これらに当てはまる場合は、経血量が多いことによる生理的な現象と考えて、過度に心配する必要はありません。

これは要注意!受診を検討すべきサイン

□ 500円玉より大きい塊が頻繁に出る。 □ 生理期間中、ほぼ毎日塊が出る。 □ 塊がゼリー状ではなく、硬いしこりのよう。 □ 生理痛が年々ひどくなっている。 □ めまい、立ちくらみ、動悸など貧血のような症状がある。 □ 生理期間が8日以上続く。 □ 生理以外の時にも出血がある(不正出血)。

これらのサインが1つでも当てはまる場合は、何らかの婦人科疾患が隠れている可能性があります。

「毎月大きな塊が出て、生理痛もひどいのが当たり前だと思っていました。勇気を出して病院に行ったら『子宮筋腫』が見つかり、治療したら長年の悩みが嘘のように楽になりました」(38歳・パート)

レバー状の塊がサインとなる婦人科疾患

血の塊や経血量の増加は、「過多月経」の症状であり、その背景には以下のような病気が隠れていることがあります。

子宮筋腫: – 子宮にできる良性のコブ。30代以上の女性の3〜4人に1人が持っていると言われるほど一般的。 – 筋腫が子宮内膜を圧迫することで、経血量が増え、塊が出やすくなる。

子宮内膜症: – 子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖する病気。 – 激しい生理痛が特徴で、経血量の増加や不妊の原因にもなる。

子宮腺筋症: – 子宮内膜に似た組織が、子宮の筋肉の中に入り込んで増殖する病気。 – 子宮全体が硬く大きくなり、激しい生理痛と過多月経を引き起こす。

子宮内膜ポリープ: – 子宮内膜にできる良性のキノコ状のできもの。不正出血や過多月経の原因になる。

ホルモンバランスの乱れ: – ストレスや生活習慣の乱れ、更年期などでホルモンバランスが崩れ、一時的に経血量が増えることもある。

これらの病気は、放置すると貧血が進行したり、不妊の原因になったりすることがあります。気になる症状があれば、自己判断せず、婦人科を受診することが非常に重要です。

日常生活でできる!血の塊と生理痛の緩和ケア

病院に行くほどではないけれど、塊や生理痛が気になる…という方は、日々のセルフケアで症状が和らぐことがあります。

1. 体を温めて血行を良くする

体が冷えると血行が悪くなり、骨盤内の血液が滞って生理痛が悪化し、血の塊もできやすくなります。

温熱グッズの活用: 使い捨てカイロやあずきのチカラなどを下腹部や腰に当てる。 ・入浴: シャワーで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる。 ・服装の工夫: 腹巻きやレッグウォーマーを活用し、下半身を冷やさない。

2. 鉄分を補給して「隠れ貧血」を防ぐ

経血量が多いということは、それだけ多くの鉄分を失っているということです。気づかないうちに「隠れ貧血」になっているかもしれません。

鉄分豊富な食事: レバー、赤身肉、あさり、小松菜、ひじきなどを意識的に摂る。 ・吸収を助けるビタミンC: 鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。 ・サプリメントの活用: 食事だけで補うのが難しい場合は、鉄分サプリを上手に活用しましょう。

【おすすめ鉄分サプリ5選】

  1. DHC ヘム鉄: 吸収率の高いヘム鉄を手軽に。葉酸、ビタミンB12も配合。
  2. ファンケル 鉄&葉酸: 鉄分の働きをサポートする成分をバランス良く配合。
  3. ディアナチュラ 鉄×マルチビタミン: 鉄分だけでなく、基本的なビタミンも一緒に摂れる。
  4. UHAグミサプリ 鉄&葉酸: おやつ感覚で手軽に鉄分補給。
  5. フローラディクス(液体鉄分): ドイツ生まれのハーブエキス入り。吸収が早く、胃に優しい。

3. 食生活と生活習慣の見直し

避けるべきもの: 体を冷やす冷たい飲み物、白砂糖、カフェイン、インスタント食品。 ・摂るべきもの: 血行を良くする生姜やネギ、ホルモンバランスを整える大豆製品。 ・適度な運動: ウォーキングやストレッチで血行を促進。 ・質の良い睡眠: ホルモンバランスを整える基本です。

婦人科受診ガイド|いつ、何を話せばいい?

「病院に行った方がいいかも…」と思ったら、ためらわずに受診しましょう。

受診のタイミング

前述の【セルフチェック】で「注意すべきサイン」に1つでも当てはまったら、一度受診を検討しましょう。特に、日常生活に支障が出るほどの生理痛や貧血症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

医師に伝えるべきことリスト

診察をスムーズに進めるため、以下の情報をメモしていくと良いでしょう。 □ いつから血の塊が気になり始めたか □ 塊の大きさ(何かに例えて)と頻度 □ 生理周期と生理期間 □ 生理痛の程度(薬は飲むか、仕事は休むか) □ 他の症状(めまい、不正出血など) □ 妊娠・出産の経験 □ 過去の病歴

婦人科での診察は、問診、内診、超音波(エコー)検査が基本です。内診に抵抗があるかもしれませんが、子宮や卵巣の状態を確認するために非常に重要な検査です。リラックスして受けましょう。どうしても不安な方は、女性医師のいるクリニックを選ぶのも一つの方法です。

よくある質問(Q&A)

Q1. ピルを飲んでいますが、レバー状の塊が出ます。

A. ピル服用中は通常、経血量が減るため塊は出にくくなります。もし塊が出る場合は、子宮筋腫など他の原因が隠れている可能性があります。ピルを処方してもらっている医師に相談しましょう。

Q2. 妊娠初期の出血との見分け方は?

A. 生理予定日頃の少量の出血(着床出血)は、塊になることはほとんどありません。レバー状の塊が出るような出血は、生理か、あるいは切迫流産などの異常の可能性があります。妊娠の可能性がある場合は、自己判断せず、すぐに産婦人科を受診してください。

Q3. 閉経前ですが、塊が増えてきました。

A. 更年期(閉経前後)はホルモンバランスが大きく乱れるため、一時的に経血量が増えたり、塊が出たりすることがあります。多くは生理的な変化ですが、子宮体がんなどのリスクも上がる年代なので、不正出血など他の症状があれば必ず検診を受けましょう。

まとめ:体からのサインを見逃さず、自分の体を大切に

生理でレバー状の血の塊が出ることは、それ自体が直接的な病気ではありません。しかし、それはあなたの体が発している「経血量が多いよ」「少し貧血気味かもよ」という大切なメッセージです。

多くの場合、体を温めたり、鉄分をしっかり補給したりといったセルフケアで、不快な症状は和らぎます。しかし、塊が異常に大きい、頻繁に出る、ひどい生理痛や貧血症状を伴う場合は、その裏に子宮筋腫などの病気が隠れているサインかもしれません。

「いつものことだから」と我慢せず、自分の体の変化にきちんと向き合うこと。そして、不安な時は勇気を出して婦人科のドアを叩くこと。それが、あなたの未来の健康を守るための最も重要なステップです。

この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。症状の診断や治療については、必ず医療機関で専門医の診察を受けてください。特に、過多月経や重い生理痛に悩んでいる方は、放置せずに婦人科を受診することを強くお勧めします。

※本記事で紹介した製品の効果には個人差があります。 ※サプリメントを服用する際は、必ず用法用量を守り、アレルギー等に注意してください。