マーベロンとトリキュラーは、どちらも避妊や生理痛の緩和に使われる低用量ピルです。
また、休薬期間に服用するプラセボ錠の有無によって、21錠タイプと28錠タイプの2種類が用意されている点も共通しています。
しかし、同じ低用量ピルでもマーベロンとトリキュラーには2つの大きな違いがあります。自分に合ったピルを選ぶために知っておきましょう。
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マーベロンとトリキュラーの違い【1】1相性・3相性
マーベロンとトリキュラーの違いのひとつは、「1相性ピル」か「3相性ピル」かということです。マーベロンは1相性ピルに、トリキュラーは3相性ピルにあたります。
1相性ピルとは、ピルに含まれる2つの女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)の量が変動しないタイプの低用量ピルです。
一方の3相性ピルは、2つの女性ホルモンの配合比率が1週間ごとに3段階に変動します。
1相性・3相性それぞれの特徴
1相性ピルはホルモンの量が変動しないため、体調の変化が起こりにくいというメリットがあります。
一方で3相性ピルは、低用量ピルを飲み始めたころに起こりやすい、不正出血が起こりにくいというメリットがあります。
ただし、通常はどちらも服用を続けているうちに不正出血が起こらなくなるので、特に気にならない場合は問題ありません。
1相性・3相性で見た目の違いあり
ホルモンの配合比率が変動しない1相性のマーベロンは、女性ホルモンが含まれる実薬が一貫して白色のフィルムコーティング錠です。
プラセボ錠は緑色のフィルムコーティング錠にすることで、見分けをつけています。
一方で3相性のマーベロンは、女性ホルモンの配合比率によって実薬が3色に分かれます。
トリキュラーは1週目が赤褐色糖衣錠、2週目は白色糖衣錠、3週目が淡黄褐色糖衣錠です。
また、トリキュラーのプラセボ錠は実薬の白色糖衣錠と比べてひと回り大きなサイズとなっています。
こうした見た目の変化をつけることで間違えを防いでいる点も、マーベロンとトリキュラーの違いのひとつです。
マーベロンとトリキュラーの違い【2】第2世代・第3世代
低用量ピルに含まれる卵胞ホルモンは、すべてに共通してエチニルエストラジオールです。一方で、黄体ホルモンはピルの種類によって異なります。
この黄体ホルモンの種類と開発順によって、低用量ピルは4つの世代に分類されます。世代の違いも、マーベロンとトリキュラーの違いのひとつです。
第2世代のトリキュラー
第2世代のトリキュラーには、黄体ホルモンとしてレボノルゲストレルが配合されています。
レボノルゲストレルを使用することによって、第1世代と比べて黄体ホルモンの量を減らすことが可能になりましたが、アンドロゲン作用が起こりやすくなっています。
アンドロゲン作用が起こると、体重や食欲が増す、ニキビや男性化症状が現れる可能性があります。
第3世代のマーベロン
第3世代のマーベロンには、黄体ホルモンとしてデソゲストレルが配合されています。
第3世代は、第2世代のアンドロゲン作用を減らすために開発されたピルなので、体重や食欲が増すといった服用にあたる心配が減るというメリットがあります。
しかし、比較的新しいピルなので使用実績が短く、血栓症のリスクが第1世代・第2世代より高いおそれがあるといったデメリットもあります。
マーベロンとトリキュラーの選び方
実薬はすべて同じ錠剤である1相性ピルのマーベロンは、「飲み方が分かりやすい」「飲み間違いを起こしにくい」といった使用感で選ぶメリットがあります。
しかし、服薬開始の時期に起こりやすい不正出血のリスクをできるだけ減らしたいのであれば、3相性のトリキュラーを選ぶのも良いでしょう。
この点に関しては、個人の好みが影響します。
また、ピルを飲み始める際に気になる体重の増加やニキビなどのリスクから、第3世代のマーベロンを選択する女性も多いかもしれません。
しかし、喫煙習慣がある、肥満気味である、血液検査で医師に指摘されたことがあるといった血栓症のリスクが比較的高い人は、第2世代のトリキュラーを選ぶ方が良いケースもあります。
この点に関しては、クリニックで医師に相談して決めるのが良いでしょう。
また、実際に服用している人達の口コミも非常に参考になるので、販売サイトをチェックしてみるもの良いかもしれません。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、安全に服用できるピルを選びましょう。