ピルの服用に抵抗のある人の最も多い原因の1つに副作用があります。
医薬品には副作用がつきもので、有益な効果を得る代わりに副作用が発生するリスクも伴います。
それはピルも同じで、どうしても副作用というものは避けてとおれません。
ただ、ピルの副作用は発現頻度が低く、軽度なものが多いのでそれほど心配する必要はないでしょう。
今回は、ピルと副作用についてご紹介していきたいと思います。
Contents
そもそも副作用とは?
まずは副作用というものについて考えてみましょう。
副作用と聞くと体に悪い影響を及ぼしてしまうイメージがありますが、実際は悪い影響を及ぼすものだけを副作用と言うわけではありません。
本来医薬品を使用するときに、本来の有益性に対する作用のことを主作用と言い、それ以外の予期しない作用のことを副作用と呼んでいます。
つまり悪い作用だけではないということですね。
ピルで太ったり、卵巣がんや子宮体がん、乳がんになる?
それでは、ピルを服用することでどのような副作用が起こることがあるのでしょうか?
一般的によく言われているのは、「太ったり」、「がん(乳がん、卵巣がん、子宮体がん)になりやすくなる」といった好ましくない副作用ですが、現在では太ったりガンになる副作用は起こらないことが知られています。
むしろ、ピルを服用することで卵巣がんや子宮体がんの発生率が低くなるというデータも出ています。これは、ピルに含まれている子宮内膜に着床性増殖を引き起こす物質であるプロゲストーゲンに、卵巣がんや子宮体がんを抑制する効果があるからです。
また、以前は不妊になりやすくなるという副作用も知られていましたが、現在ではピルで不妊になることはないことも知られています。
それでは、実際に発生する可能性のある副作用にはどのようなものがあるのでしょうか?
ピルの副作用にはどんな種類がある?
ピルで実際に発生する副作用としては、「吐き気」、「頭痛」、「乳房のはり」、「むかつき」、「腹痛」等が起こり得る症状として知られています。
発生頻度はどれくらい?
いずれも軽度の副作用ばかりですが、これらの症状は起こるのはピルを飲み始めてから数日の間に発生すると言われています。
しかし、これらの軽度な副作用自体もほとんど発生することはないと言われており、発生したとしても数日にうちに治まるのでそれほど心配する必要はありません。
実際にピルを服用している女性で副作用が発生したという人はあまりいないことが分かっています。
ピルは副作用よりも避妊効果が有益
薬には、リスクとベネフィット(有益性)があり、簡単に言ってしまえばリスクがベネフィットを上回れば危険な薬となりますし、ベネフィットがリスクを上回れば比較的安全であると考えることが出来ます。
その中でもピルは副作用よりも避妊効果の有益性の方が圧倒的に高く、ピルを服用している女性達のほとんどはピルを服用したことに満足感を感じています。
つまり、ピルを服用せずに妊娠してしまうよりも、ピルを服用して避妊効果を得る方が女性にとっては有益であると言えるのです。
また、ピルには避妊効果以外にも嬉しい作用があることも知られています。
ピルで女性は美しくなる?
女性の悩みといえば、肌荒れやニキビ等の肌トラブルがありますが、ピルに含まれる「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」のうち、「卵胞ホルモン」にはヒアルロン酸やコラーゲンの生成させ肌に潤いを与えみずみずしい肌へと導いてくれる効果があります。
また、「黄体ホルモン」にはニキビの原因となる皮脂の詰まりを抑制する効果があることから、ニキビの予防や改善につながる効果があることも分かっています。
その他にも、つらい生理痛やPMSを軽減したり、生理の周期を安定させたりと女性にとって嬉しい効果をたくさん得ることが出来るのです。
主作用を避妊効果と考えればこれらも副作用になりますが、こんな副作用なら大歓迎ですね。
まとめ
ピルには頭痛や吐き気等の軽度な副作用が発生するリスクはありますが、ほとんどの女性には起こらないことが知られており、ガンになるリスクがするというのは嘘であることも分かっています。
ピルは避妊作用だけでなく、生理を軽減したり肌を美しくしてくれる効果を期待することが出来ます。
ただし、もし悪い副作用が出てしまった場合や、軽度な副作用であっても長く持続するばあいは医療機関を受診する等しましょう。