初めてのピルガイド｜服用前に必ず確認したい10のチェックリスト

【ピルの主な使用目的】

■避妊目的（自由診療）
・確実な避妊効果（99％以上）
・パートナーとの安心した関係
・計画的な妊娠のため

■治療目的（保険適用の可能性）
・月経困難症（重い生理痛）
・月経不順の改善
・PMS/PMDDの緩和
・子宮内膜症の治療
・過多月経の改善

医師からのアドバイス：
「複数の目的がある場合は、最も改善したい症状を優先順位をつけて医師に伝えてください。例えば『避妊が主目的だけど、生理痛も改善したい』など、具体的に伝えることで、最適なピルを選択できます」

【期待できる副次効果】
✓ ニキビ・肌荒れの改善
✓ 生理周期の安定化
✓ 経血量の減少（貧血改善）
✓ 排卵痛の消失
✓ 卵巣がん・子宮体がんリスク低下
✓ 骨密度の維持

【血栓症リスクチェック】

絶対禁忌（ピル服用不可）
□ 血栓症の既往歴がある
□ 35歳以上で1日15本以上喫煙
□ 前兆のある片頭痛
□ 高血圧（160/100mmHg以上）
□ 妊娠中または授乳中

相対禁忌（慎重投与）
□ 家族に血栓症の既往歴
□ BMI30以上の肥満
□ 40歳以上
□ 糖尿病
□ 脂質異常症

【年齢・喫煙別のリスク評価】
・20代非喫煙者：リスク低い ◎
・20代喫煙者：要注意 △
・30代前半非喫煙者：リスク低い ○
・30代前半喫煙者：慎重投与 △
・35歳以上非喫煙者：慎重投与 △
・35歳以上喫煙者：禁忌 ×
・40歳以上：個別評価必要 △

【医師への質問リスト例】

■ピルの選択について
✓ 私の症状に最適なピルは？
✓ 世代による違いは？
✓ ジェネリックでも大丈夫？

■副作用について
✓ どんな副作用が予想される？
✓ 副作用はいつまで続く？
✓ 対処法は？

■服用方法について
✓ 飲み忘れた時の対処法は？
✓ 他の薬との飲み合わせは？
✓ いつから避妊効果がある？

【オンライン診療のメリット・注意点】

メリット：
・24時間対応可能なサービスも
・自宅で完結、待ち時間なし
・プライバシーが守られる
・地方でもアクセス可能

注意点：
・初回は問診が詳細（15-20分）
・血圧測定は自己申告
・内診や血液検査はできない
・年1回は対面診療推奨

【Day1スタート法】
開始日：月経開始から24時間以内
避妊効果：初日から有効
メリット：
・すぐに避妊効果が得られる
・月経周期に合わせやすい
・不正出血が起きにくい

デメリット：
・月経開始を待つ必要がある
・開始タイミングを逃すと1ヶ月待つ

【クイックスタート法】
開始日：いつでも可能
避妊効果：7日目から有効

注意事項：
・妊娠していないことを確認
・最初の7日間は他の避妊法併用
・不正出血が起きやすい
・医師の指導のもとで実施

医師からのアドバイス：
「初めての方には、月経初日からの開始をおすすめします。体が慣れやすく、副作用も比較的軽くなる傾向があります。ただし、すぐに避妊効果が必要な場合は、クイックスタート法も選択肢です」

【相性による分類】

■一相性ピル
・21錠全て同じホルモン量
・代表薬：マーベロン、ヤーズ
・メリット：飲み間違いの心配なし
・デメリット：不正出血が起きやすい

■三相性ピル
・ホルモン量が3段階で変化
・代表薬：トリキュラー、アンジュ
・メリット：自然なホルモン変動に近い
・デメリット：順番を守る必要あり

【時期別の副作用】

■開始1-2週間
・吐き気（20-30％）
・頭痛（10-15％）
・乳房の張り（10％）
・むくみ（5％）

■1-3ヶ月
・不正出血（30％）
・気分の変化（10％）
・体重変化（±1-2kg）

■3ヶ月以降
・ほとんどの副作用は消失
・継続困難な場合は種類変更を検討

【副作用別の対処法】

吐き気：
✓ 就寝前に服用
✓ 食後に服用
✓ 制吐剤の併用（医師相談）

頭痛：
✓ 水分を多めに摂取
✓ 規則正しい生活
✓ 鎮痛剤の使用可

不正出血：
✓ 3ヶ月は様子見
✓ 飲み忘れに注意
✓ 続く場合は医師相談

【相互作用のある薬剤】

ピルの効果を下げる薬：
・抗てんかん薬（フェニトイン、カルバマゼピン）
・抗結核薬（リファンピシン）
・抗HIV薬（リトナビル等）
・抗生物質（一部のペニシリン系、テトラサイクリン系）

ピルが影響する薬：
・ラモトリギン（てんかん薬）
・シクロスポリン（免疫抑制剤）
・プレドニゾロン（ステロイド）

【注意すべきサプリメント・漢方】

避けるべき：
✗ セントジョーンズワート（ピル効果低下）
✗ プラセンタ（ホルモンバランスへの影響）

注意が必要：
△ ビタミンC大量摂取（副作用増強の可能性）
△ 大豆イソフラボン（エストロゲン様作用）
△ チェストベリー（ホルモンへの影響）

併用OK：
○ 葉酸、鉄分
○ ビタミンB群
○ 乳酸菌

【記録すべき項目】

毎日記録：
・服用時刻
・副作用の有無と程度
・不正出血の有無

月単位で記録：
・消退出血の開始日と期間
・体重変化
・気分の変化
・肌の状態

医師からのアドバイス：
「最初の1-3ヶ月は不正出血が起きやすいですが、これは体が慣れる過程で起こる正常な反応です。3ヶ月経っても改善しない場合は、ピルの種類変更を検討します」

【服用時間を守るコツ】

おすすめの服用時間：
✓ 就寝前（副作用を寝ている間にやり過ごせる）
✓ 夕食後（食事と関連付けて忘れにくい）
✓ 朝の身支度時（ルーティンに組み込みやすい）

忘れ防止対策：
✓ スマホのアラーム設定
✓ ピルケースを目につく場所に
✓ パートナーにリマインドしてもらう
✓ 服薬記録アプリの活用

【飲み忘れ対応フローチャート】

■24時間以内の飲み忘れ
→気づいた時点ですぐ服用
→次の分は通常通り服用
→避妊効果は維持される

■24-48時間の飲み忘れ
→気づいた時点で2錠服用
→7日間は他の避妊法併用

■48時間以上の飲み忘れ
→医師に相談
→服用中止の可能性も

【受診スケジュール】

開始1ヶ月後：
・副作用チェック
・血圧測定
・服用方法の確認

3ヶ月後：
・副作用の改善確認
・ピルの種類変更検討

6ヶ月ごと：
・血圧、体重測定
・問診

1年ごと：
・血液検査
・子宮頸がん検診
・乳がん検診（年齢による）

【相談先リスト】

通常の相談：
✓ 処方医療機関
✓ オンライン診療のチャット相談
✓ 薬局の薬剤師

緊急時：
✓ 救急相談ダイヤル #7119
✓ 最寄りの救急外来

メンタル面のサポート：
✓ 女性健康相談窓口
✓ ピルユーザーのオンラインコミュニティ

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【10のチェックポイントまとめ】

✅ 服用目的を明確にする
✅ 禁忌事項を確認する
✅ 医師への質問を準備する
✅ 開始タイミングを決める
✅ 自分に合うピルを選ぶ
✅ 副作用への対処法を知る
✅ 飲み合わせを確認する
✅ 記録方法を準備する
✅ 服用習慣を作る
✅ フォロー体制を整える