「ピルの種類が多すぎて選べない」あなたへ
「今飲んでいるピル、本当に自分に合ってるのかな?」
「種類が多すぎて、違いが分からない」
「副作用が出たら、また病院に行くのが面倒…」
日本で処方される低用量ピルは30種類以上。医師から「どれにしますか?」と聞かれても、違いが分からず困ってしまいますよね。
ピルは、含まれるホルモンの種類(世代)や量(相性)によって、避妊効果だけでなく、不正出血の起こりやすさ、ニキビへの効果、むくみへの影響などが大きく異なります。
大切なのは、自分の「目的」と「体質」に合ったピルを選ぶこと。そして、もし合わなくても「我慢せず、すぐに相談・変更できる環境」を持つことです。
この記事では、低用量ピルの全種類を徹底解説するだけでなく、「目的・悩み別」にあなたに最適なピルの選び方を提案。さらに、「合わなかった」ときの変更のハードルを劇的に下げる「オンライン処方サービス」まで、具体的に解説します。
まずは「世代」と「相性」の違いを知ろう
ピル選びの基本となる「世代」「相性」「エストロゲン量」の3つの分類を簡潔に理解しましょう。
1. 世代(黄体ホルモンの種類)
主に4つの世代に分類され、それぞれ特徴があります。
- 第1世代(NET): 月経量減少効果が高い。保険適用の「フリウェル」など。
- 第2世代(LNG): 不正出血が最も起こりにくい。国内処方数No.1の「トリキュラー」など。
- 第3世代(DSG): ニキビの原因となる男性ホルモン様作用が最も少ない。「マーベロン」など。
- 第4世代(DRSP): 超低用量。利尿作用があり、むくみにくい。PMS改善効果も高い「ヤーズ」など。
2. 相性(ホルモン量の変化)
- 1相性: 21錠すべて同じホルモン量。飲み間違えにくく、ホルモン量が安定しやすい。
- 3相性: 3段階でホルモン量が変化。自然なホルモンバランスに近く、不正出血が起こりにくいとされる。
3. エストロゲン含有量
- 低用量ピル: エストロゲン量が30〜35μg。
- 超低用量ピル: エストロゲン量が20μg以下。吐き気などの副作用がより軽減される。
【悩み・目的別】あなたに最適なピルの選び方
「結局、私にはどれがいいの?」という疑問に答えます。あなたの最優先の目的に合わせて、ピルの候補を絞り込みましょう。
「ニキビ・肌荒れ」を改善したい
ニキビの原因の一つである「男性ホルモン」の働きを抑えるピルが適しています。
- 第1候補:第3世代(マーベロン、ファボワール)
男性ホルモン様作用が最も少なく、ニキビや多毛症の改善に高い効果が期待できます。1相性のため、ホルモン量が安定しやすいのも特徴です。 - 第2候補:第4世代(ヤーズ、ドロエチ)
第3世代と同様に抗男性ホルモン作用があり、ニキビ改善効果が認められています。同時に「むくみ」も気になる方におすすめです。
▼避けるべきは?
第2世代(トリキュラーなど)は、男性ホルモン様作用がやや強いため、体質によってはニキビが悪化する可能性があります。
「PMS(月経前症候群)・生理痛」がつらい
生理痛(月経困難症)やPMSの治療には、保険適用となるピル(LEP)が第一選択です。
- 第1候補:第4世代(ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ)
PMSの諸症状(イライラ、気分の落ち込み、むくみ等)の改善に高い効果が認められている唯一のピルです。超低用量で副作用も比較的少ないのが特徴です。 - 第2候補:第1世代(ルナベル、フリウェルULD/LD)
月経困難症の治療薬として長く使われており、特に「経血量が多い」方におすすめです。ジェネリックの「フリウェル」は非常に安価(3割負担で月800円程度〜)なのも魅力です。
「むくみ・体重増加」をとにかく避けたい
ピルの副作用で「太る」ことはありませんが、一部のピルには水分を溜め込みやすくする作用(浮腫)があります。
- 唯一の選択肢:第4世代(ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ)
この世代に含まれる「ドロスピレノン」は、利尿作用を持つため、ピル特有の「むくみ」が起こりにくいのが最大の特徴です。
「避妊」が第一目的で、不正出血を避けたい
避妊目的(OC)の場合、どの世代のピルでも正しく服用すれば99.7%以上の避妊効果が得られます。その上で、マイナートラブルが少ないものが推奨されます。
- 第1候補:第2世代(トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ)
日本で最も処方実績が多く、不正出血が最も起こりにくいとされています。3相性で、体が慣れやすいのも特徴です。ピルが初めての方にもよく選ばれます。 - 第2候補:第3世代(マーベロン、ファボワール)
1相性で飲み間違えにくく、避妊に加えてニキビも気になる方におすすめです。
【完全版】日本で処方される低用量ピル全種類一覧
あなたの目的(OC=避妊 / LEP=治療)と世代別に全種類を一覧化しました。
第1世代ピル(ノルエチステロン系)
特徴:月経量減少効果が高い。子宮内膜症や月経困難症の治療(保険適用)に多く使われる。
| 商品名 | 相性 | E量 | 目的 | ジェネリック |
|---|---|---|---|---|
| ルナベル配合錠LD/ULD | 1相性 | 35/20μg | LEP | – |
| フリウェル配合錠LD/ULD | 1相性 | 35/20μg | LEP | ○ (ルナベル) |
| シンフェーズT28錠 | 3相性 | 35μg | OC | なし |
第2世代ピル(レボノルゲストレル系)
特徴:不正出血が最も起こりにくい。日本で最も処方実績が多い。
| 商品名 | 相性 | E量 | 目的 | ジェネリック |
|---|---|---|---|---|
| トリキュラー錠21/28 | 3相性 | 30-40μg | OC | – |
| ラベルフィーユ錠21/28 | 3相性 | 30-40μg | OC | ○ (トリキュラー) |
| アンジュ錠21/28 | 3相性 | 30-40μg | OC | – |
| ジェミーナ配合錠 | 1相性 | 20μg | LEP | – |
第3世代ピル(デソゲストレル系)
特徴:男性ホルモン様作用が最も少なく、ニキビ・多毛症に効果的。
| 商品名 | 相性 | E量 | 目的 | ジェネリック |
|---|---|---|---|---|
| マーベロン21/28 | 1相性 | 30μg | OC | – |
| ファボワール錠21/28 | 1相性 | 30μg | OC | ○ (マーベロン) |
第4世代ピル(ドロスピレノン系)
特徴:超低用量。利尿作用でむくみにくく、PMS改善効果も高い。
| 商品名 | 相性 | E量 | 目的 | ジェネリック |
|---|---|---|---|---|
| ヤーズ配合錠 | 1相性 | 20μg | LEP | – |
| ヤーズフレックス配合錠 | 1相性 | 20μg | LEP | – |
| ドロエチ配合錠「あすか」 | 1相性 | 20μg | LEP | ○ (ヤーズ) |
「今のピル、合ってないかも?」種類変更のサインと対処法
「自分に合うピル」に一発で辿り着ける人は、実はそう多くありません。ピルは最低3ヶ月飲み続けて相性を見るのが基本ですが、以下のような症状が続く場合、「我慢する」のではなく「種類変更」を検討すべきです。
よくある「ピルが合わない」サイン
- 吐き気・頭痛が3ヶ月以上続く
→ エストロゲン量が体質に合っていないかも。超低用量ピル(第4世代など)への変更を検討。 - 不正出血が3シート目以降も続く
→ ホルモン量が足りていないかも。3相性(トリキュラーなど)や、よりホルモン量の多いピルへの変更を検討。 - ニキビ・肌荒れが悪化した
→ 第2世代(トリキュラーなど)の場合、男性ホルモン様作用が影響しているかも。第3世代(マーベロン)や第4世代(ヤーズ)への変更を検討。 - むくみや体重増加が気になる
→ 第4世代(ヤーズ)以外のピルの場合、水分が溜まっているかも。利尿作用のある第4世代への変更を検討。 - 気分の落ち込み・イライラがひどい
→ 3相性のピルの場合、ホルモンの変動が影響しているかも。1相性(マーベロン、ヤーズなど)への変更を検討。
ピル変更の「見えないハードル」
「ピルを変えたい」と思っても、多くの人が直面するハードルがあります。
「また仕事を休んで婦人科に行かないといけない…」
「先生に『変えたい』って言うのが、なんとなく気まずい…」
「待合室で長時間待つのがストレス…」
合わないピルを我慢し続けるか、面倒な通院を我慢するか。この二択で悩み、ピルの服用自体をやめてしまう人も少なくありません。
この「ピル変更のハードル」を解決する手段が、今、急速に普及しています。
ピル処方の新常識「オンライン診療」という選択肢
ピルの処方や変更相談は、今やスマホひとつで完結する時代です。特に「ピルの種類を変更したい」というニーズと、オンライン診療は非常に相性が良いのです。
なぜ「種類変更」にオンラインが最適なのか?
- 通院・待ち時間「ゼロ」でストレスフリー
合わないと感じた時、病院の予約や移動、待ち時間を一切気にせず、自宅のベッドからでも医師に相談できます。 - 「種類を変えたい」と気楽に伝えられる
対面だと言い出しにくい「ニキビが悪化した」「むくみが気になる」といった悩みも、ビデオ通話やチャットなら冷静かつ率直に伝えられます。 - 合わなければ、すぐに「次のピル」を相談できる
オンラインサービスなら、診察履歴が残っているため、「前回マーベロンを試したけど合わなかったから、今回はヤーズに」といった継続的な相談が非常にスムーズです。
重要ポイント:
Q. オンライン診療でも種類の変更は相談できますか?
A. はい、ほとんどのオンラインピル処方サービスで、種類の変更に関する相談が最も多い相談内容の一つです。ビデオ通話やチャットで医師に現在の状況を伝え、新しいピルを提案・処方してもらうことができます。忙しくてなかなかクリニックに行けない方、医師に相談するハードルを感じている方こそ、オンラインがおすすめです。
おすすめのオンラインピル処方サービス
ここでは、取り扱い種類が豊富で、ピル変更の相談がしやすい主要な2つのサービスをご紹介します。
1. エニピル (AnyPill)
「今すぐ相談したい」「早く欲しい」という方へ
診療時間が長く(24時間対応枠あり)、最短で「当日発送・翌日到着」というスピード感が最大の特徴です。低用量ピルだけでなく、中用量ピル(生理日移動)やアフターピルの取り扱いもあります。
- 特徴:当日発送、24時間診療枠あり、LINEで全て完結
- 取り扱い:トリキュラー、ラベルフィーユ、マーベロン、ファボワール、シンフェーズ、アンジュ(※時期により変動あり。要確認)
- 費用:診察料 2,200円 (税込) 、ピル代 2,560円/月〜 (税込・送料無料)
2. ルナルナおくすり便
「アプリで管理したい」「安心感を重視したい」方へ
日本最大級の生理日管理アプリ「ルナルナ」が提供するサービスです。アプリと連携して服薬管理ができる利便性と、ブランドの安心感が強み。この記事で紹介したほぼ全てのピル(ヤーズやフリウェル等も)を取り扱っているため、変更の選択肢が非常に広いのが魅力です。
- 特徴:ルナルナアプリと連携、取り扱い種類が圧倒的に豊富、信頼と実績
- 取り扱い:第1〜第4世代までほぼ全種類(保険適用のLEPも対応)
- 費用:診察料 1,500円 (税込) 、ピル代 1,898円/月〜 (税込・送料無料)
よくある質問(FAQ)
Q1. ピルの世代は新しいほど良い?
A. 必ずしもそうではありません。世代は黄体ホルモンの「種類」の違いであり、優劣ではありません。第2世代が合う人もいれば、第4世代が合う人もいます。重要なのは「世代」ではなく、あなたの「体質と目的」に合っているかです。
Q2. 1相性と3相性、どちらが良い?
A. 一長一短があります。
・1相性:ホルモン量が一定で飲み間違えにくい。気分が安定しやすい。
・3相性:自然なホルモン変化に近く、不正出血が起こりにくいとされる。
気分の浮き沈みが気になる方は1相性、不正出血が気になる方は3相性を試す、という選び方もあります。
Q3. ジェネリック(後発品)に変えても大丈夫?
A. はい、問題ありません。有効成分は先発品と全く同じであり、効果・効能も同等です。価格は大幅に安くなるため(月々700円〜1,200円程度)、経済的負担を減らしたい方にはジェネリックを強くおすすめします。オンライン診療でもジェネリックを指定できます。
Q4. ピルは何歳まで飲める?
A. 健康な非喫煙者であれば、閉経(平均50歳頃)まで服用可能です。ただし、40歳以上の方や喫煙者(35歳以上)は血栓症リスクが上がるため、医師と慎重に相談する必要があります。
まとめ|最適なピルを見つけ、変更を恐れないで
低用量ピルは30種類以上ありますが、選ぶポイントはシンプルです。
- あなたの「目的」を明確にする(ニキビ、PMS、避妊など)
- 目的に合った「世代」のピルを選ぶ(第3世代、第4世代など)
- 最低3ヶ月は試してみる
- 合わなければ、我慢せずに「変更」する
ピル選びは、あなたに合う「服」を探すのと同じです。試着(服用)してみて、合わなければ(副作用)、別の服(別のピル)に着替えるのは当然のこと。
かつては「ピルの変更=面倒な通院」でしたが、今は「オンライン診療」という便利な選択肢があります。合わないピルを我慢して生理の悩みに戻ってしまうのは、あまりにもったいないことです。
まずはスマホから、あなたの悩みを医師に相談してみませんか?あなたに最適な1錠が、きっと見つかるはずです。

