月経困難症や子宮内膜症、月経前症候群(PMS)などの婦人科系疾患の治療や避妊に使われるピル。日本ではまだまだピルを使用する女性は少ないのですが、海外では広く使われています。
この記事では低用量ピルとは何か、メリット・デメリット、保険が適用されるのかなど詳しくご紹介します。
Contents
低用量ピルとは何か
ピルとは、卵巣内で作られる女性ホルモンと同じ、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類のホルモンを配合した薬で、コンスタントに摂取することで、身体を妊娠したときの状態へと人工的に近づけます。
それにより、排卵が抑制され、病気の治療や避妊に効果を発揮します。
低用量ピルとは、血栓や胃腸障害などの副作用をはじめとする身体の負担を最小限にするために、女性ホルモンの含有量を 0.05ミリグラム未満におさえたピルのことです。
低用量ピルのメリット
低用量ピルには、排卵を抑える働きと子宮内膜が厚くなるのを防ぐ働きがあります。適切にピルを服用すれば、避妊率はほぼ100%。
また、コンドームとは違って女性の意志だけで避妊ができます。望まない妊娠を避けるにはおすすめの方法です。
また、子宮内膜でつくられる生理痛の原因物質・プロスタグランジンの過剰生成を防ぐため、生理痛の軽減にも役立ちます。
さらに、子宮内膜が厚くなるのを防ぐことで、経血や血の塊の増加をおさえる。ホルモンバランスを整え、イライラなどのPMSを軽減する。生理周期を整えるなど、女性にとってうれしい効果がたくさんあります。
低用量ピルのデメリット
副作用の少ない低用量ピルですが、身体が慣れるまでの最初の1~2カ月は、軽い吐き気や頭痛、不正出血、胸の張りなどを感じる場合もあります。
しかし、生理痛や生理不順による悩みと比べると、そこまで気にならないという人が多いようです。
また、ピルの重大な副作用とされている血栓のリスクの上昇についても、妊産婦と比べてリスクは低いそう。タバコを良く吸ったり、太っていたりといったことがなければ、そこまで神経質になる必要はないといわれています。
個人差はあるものの、多くの人にとっては、低用量ピルはデメリットよりもメリットの方が大きいといえるのではないでしょうか。
保険が適用されるかは使用目的で決まる
低用量ピルが保険適用されるかどうかは、使用目的が子宮内膜症などの病気の治療なのか、避妊なのかによって異なります。
保険診療はもともと、病気や怪我などの治療を目的としてつくられた制度なので、避妊目的の場合は、該当しません。100%自費負担での診療となります。
また、ピルの服用により、生理日を調整する目的で使用する場合も、保険は適用されません。
保険が適用される場合は、月経困難症や子宮内膜症、月経前症候群(PMS)など病気の治療目的の場合に限ります。
ただし、保険適用可能なピルは法律で決まっているため、症状があったとしても、必ずしも希望のピルを処方してもらえるわけではありません。
また、保険適用のピルを使うかどうかも医師の判断となるため、クリニックによっては保険適用外のピルしか処方していないケースもあるそうです。
ちなみに、治療目的で処方されたピルでも、ある程度の避妊効果はあると考えられます。ですが、避妊用に使う場合は本来の目的ではないため、自己責任となります。
低用量ピルはどこで買えるの?
低用量ピルを買えるのは、病院またはネット通販になります。日本では残念ながら今のところ、法律の関係でドラッグストアなどでは買えません。
病院
婦人科やレディースクリニックの多くが低用量ピルの処方を行っています。診察を受け、医師の処方を受けたうえで購入します。
保険適用でも自費でも費用はあまり変わらず、1シート(約1カ月分)2000~3000円くらいが目安です。保険適用の場合は3ヶ月ごと、自費診療の場合は半年ごとに診療を受けるケースが多いです。
ネット通販
では、忙しくて病院に行けない、費用が高いといった理由で、病院以外で購入する場合はどうしたらよいのでしょうか。
法律では日本国内で低用量ピルを購入するには、医師の処方が必須なので、残念ながら通販でピルを購入することは出来ません。
中には海外の薬を個人輸入している、個人輸入代行サイトから購入する人もいるかもしれませんが、個人輸入サイトから購入するのは様々なリスクが伴うのでお勧めできません。
もちろん自分で個人輸入をすることもNGなのでご注意ください!