ピルの種類比較一覧

【ピル種類一覧】医師が徹底比較!あなたに合うピルの見つけ方完全ガイド

「ピルを始めたいけど、マーベロン、トリキュラー、ヤーズ…種類が多すぎて、何が違うのかさっぱり分からない!」
「私のこの悩み(ひどい生理痛、ニキビ、PMS…)には、どのピルが一番合っているの?」

まるでコスメを選ぶように、たくさんの選択肢がある低用量ピル。しかし、その複雑さから、自分にぴったりの一枚を見つける前に、途方に暮れてしまっている方も多いのではないでしょうか。

ご安心ください。ピルの世界は、「3つの軸」で整理すると、驚くほどスッキリと理解できます。その軸とは、「用量」「世代」「相性」です。

この記事では、産婦人科医の監修のもと、国内で処方されている主要なピルを、この3つの軸で分類し、それぞれの特徴、メリット・デメリット、そして価格に至るまで、どこよりも分かりやすく、網羅的に解説します。

  • ひと目でわかる!究極の「ピル種類比較一覧表」
  • ニキビ、むくみ、不正出血…あなたの悩みに効くピルはどのタイプ?
  • 保険適用のピル(LEP)と自費のピル(OC)の賢い使い分け
  • 費用を抑えるジェネリック医薬品という選択肢

この記事を読み終える頃には、あなたはもうピル選びの迷子ではありません。まるで専門家のようにピルの全体像を把握し、医師に自分の希望を的確に伝え、自信を持って「私のためのピル」を選ぶことができるようになっているはずです。さあ、あなただけのベストパートナーを見つける旅に出かけましょう。

ピル選びの羅針盤|全ては「3つの軸」で理解できる

複雑に見えるピルの種類は、以下の3つの軸で分類・整理することができます。この3点を押さえるだけで、ピル選びが格段に楽になります。

  1. 【用量】ホルモンの量で決まる効果と副作用のバランス
    含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)の量による分類。超低用量、低用量、中用量などがあります。
  2. 【世代】ニキビや体重増加への影響度が変わる
    含まれる黄体ホルモン(プロゲスチン)の種類による分類。第1世代〜第4世代まであります。
  3. 【相性】飲みやすさや不正出血の起こりにくさに関わる
    1シート内のホルモン配合パターンによる分類。1相性、3相性があります。

では、それぞれの軸について、詳しく見ていきましょう。

軸①【用量】エストロゲンの量で分類|超低用量・低用量・中用量・ミニピル

ピルは、含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)の量によって、効果や副作用の傾向が異なります。現在、避妊や月経トラブルの改善に主に使われるのは「超低用量ピル」と「低用量ピル」です。

種類 エストロゲン量(1錠あたり) 主な用途・特徴
超低用量ピル 30μg未満 (0.03mg未満) エストロゲン量が最も少なく、頭痛や吐き気などの副作用が比較的出にくい。主に月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられる(保険適用)。
低用量ピル 30μg~40μg未満 最も一般的なタイプ。避妊目的のほか、生理痛、PMS、ニキビ改善など、幅広い目的に用いられる(主に自費診療)。
中用量ピル 50μg (0.05mg) ホルモン量が多く、緊急避妊(アフターピル)や、重い月経困難症、月経移動などに用いられる。長期的な服用には向かない。
ミニピル 0μg(含まない) エストロゲンを含まず、黄体ホルモンのみ。血栓症リスクが極めて低く、授乳中や喫煙者など、エストロゲンが使えない方に用いられる。

OCとLEPの違いって?保険適用と自費のカラクリ

ここで重要なのが、「OC」と「LEP」という言葉です。同じ成分のピルでも、処方される目的によって呼び方と費用(保険適用か自費か)が変わります。

  • OC (Oral Contraceptives):経口避妊薬。主な目的が「避妊」の場合。自費診療となります。
  • LEP (Low dose Estrogen Progestin):低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬。主な目的が「月経困難症や子宮内膜症の治療」の場合。保険適用(3割負担)となります。

例えば、「ヤーズ」というピルは、月経困難症の治療目的なら保険適用の「LEP」として、避妊目的なら自費の「OC」として処方されます(※OCとしてのヤーズはヤーズフレックスという連続服用タイプが主流)。中身は同じでも、制度上の位置づけが違うのです。

軸②【世代】黄体ホルモンの種類で分類|ニキビ・むくみへの影響

「世代」は、含まれる黄体ホルモン(プロゲスチン)の種類で決まります。新しい世代ほど、従来の副作用を軽減するよう改良されています。

【重要ポイント】世代による副作用の傾向
ピル選びで特に気になるニキビやむくみ。どの世代の黄体ホルモンを選ぶかが、これらの副作用を左右する鍵になります。

    • 第1世代(ノルエチステロン)
      最も古くから使われ、安全性の実績が豊富。子宮内膜を安定させる作用に優れ、生理痛緩和の効果が高いとされています。一方で、男性ホルモン様作用(アンドロゲン作用)がややあり、ニキビが悪化することも。
      (代表的なピル:フリウェル、シンフェーズ)

 

    • 第2世代(レボノルゲストレル)
      第1世代より黄体ホルモンとしての作用が強く、少ない量で効果を発揮。子宮内膜が安定しやすく、不正出血が起こりにくいのが最大の特徴です。ただし、アンドロゲン作用は比較的強く、ニキビや体重増加が気になる場合があります。
      (代表的なピル:トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ)

 

    • 第3世代(デソゲストレル)
      第2世代のアンドロゲン作用を軽減する目的で開発。男性ホルモン様作用が非常に弱いため、ニキビの改善効果が期待できます。ピルによる肌荒れや体重増加が心配な方に人気です。
      (代表的なピル:マーベロン、ファボワール)

 

  • 第4世代(ドロスピレノン)
    最も新しい世代。アンドロゲン作用を抑える効果がさらに高く、ニキビ治療に有効。また、非常に弱い利尿作用があるため、むくみの副作用が出にくいのが大きな特徴です。PMS(月経前症候群)の不快な症状にも効果的とされています。
    (代表的なピル:ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ)

軸③【相性】ホルモン配合パターンで分類|飲みやすさと安定性

「相性」は、1シート内のホルモン量が一定か、段階的に変化するかという違いです。飲みやすさや不正出血の起こりにくさに関わります。

    • 1相性(いっそうせい)
      特徴:21錠すべての実薬のホルモン量が同じ。
      メリット:飲む順番を間違えてもOK。飲み方がシンプルで、月経移動の調整も簡単。
      デメリット:3相性に比べ、ホルモン総量がやや多くなる傾向。
      (代表的なピル:マーベロン、ファボワール、ヤーズ、ルナベル、フリウェル)

 

  • 3相性(さんそうせい)
    特徴:自然なホルモン周期に近づけるため、ホルモン量が3段階に変化する。錠剤の色が週ごとに違う。
    メリット:ホルモン総量を抑えつつ、子宮内膜を安定させるため、不正出血が起こりにくいとされる。
    デメリット:必ず番号順に飲む必要があり、飲み間違いに注意が必要。
    (代表的なピル:トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ、シンフェーズ)

【完全版】国内処方ピル種類比較一覧表

これまでの3つの軸を元に、日本国内で処方されている主要なピルを一覧にまとめました。あなたのピル選びの辞書としてご活用ください。

種類(OC/LEP) 製品名
(先発品 / ジェネリック
用量 世代 相性 特徴・どんな人におすすめ?
超低用量LEP ヤーズ / ドロエチ 超低用量 第4世代 1相性 むくみ・PMS・ニキビが気になる人。月経困難症の治療に。
ルナベルULD / フリウェルULD 超低用量 第1世代 1相性 生理痛(月経困難症)の症状が特に重い人。
低用量OC/LEP マーベロン / ファボワール 低用量 第3世代 1相性 ニキビ・肌荒れが気になる人。飲みやすさ重視の人。
トリキュラー / ラベルフィーユ 低用量 第2世代 3相性 不正出血が心配な人。実績を重視する人。
アンジュ 低用量 第2世代 3相性 トリキュラーと同じ第2世代・3相性。不正出血が心配な人。
ルナベルLD / フリウェルLD 低用量 第1世代 1相性 保険適用のピルで、生理痛をしっかり抑えたい人。
ミニピル アザリア など 1相性 授乳中、喫煙者、血栓症リスクが気になる人。

※OC=避妊目的(自費)、LEP=治療目的(保険適用)。同じ名前でも両方の目的で使われることがあります。

【お悩み別】あなたに合うピルはどのタイプ?

「一覧を見ても、まだ迷う…」という方のために、代表的なお悩み別に、おすすめのピルタイプをご紹介します。

Q. とにかく「ひどい生理痛」を何とかしたい!

A. 第1世代のピル(フリウェル、ルナベルなど)がおすすめです。第1世代の黄体ホルモン「ノルエチステロン」は、鎮痛効果が高いとされ、月経困難症の治療薬として長年の実績があります。保険適用のLEP製剤も多く、経済的負担も抑えられます。

Q. 生理前の「大人ニキビ」や肌荒れが悩み…

A. 第3世代(マーベロン、ファボワール)または第4世代(ヤーズ、ドロエチ)が第一選択肢になります。これらの世代は、ニキビの原因となる男性ホルモンの作用を抑える効果が高く、肌質の改善が期待できます。特に第4世代はニキビ治療への効果が高いとされています。

Q. 生理前に体がパンパンに。「むくみ」が気になる。

A. 第4世代のピル(ヤーズ、ドロエチ)を検討してみましょう。第4世代の黄体ホルモン「ドロスピレノン」には、体内に水分を溜め込みにくくする弱い利尿作用があるため、ピルによるむくみが気になる方や、もともとむくみやすい体質の方に適しています。

Q. 「不正出血」が起こるのが一番イヤ!

A. 第2世代の3相性ピル(トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ)が比較的、不正出血の頻度が低いとされています。ホルモン量を段階的に変化させることで、子宮内膜をより安定させる効果が期待できるためです。ただし、不正出血はどのピルでも起こりうる副作用であり、個人差が大きいことをご理解ください。

賢い選択はオンライン診療から|自分に合うピルとクリニックを見つけよう

これだけの知識があれば、もうピル選びに臆することはありません。次のステップは、専門家である医師に相談し、最終的な処方を決めることです。

しかし、「どのクリニックに行けば、希望のピルを処方してもらえるか分からない」「忙しくて病院に行く時間がない」という方も多いでしょう。

そんな現代の女性にとって最適な選択肢が「オンライン診療」です。オンライン診療なら、自宅にいながら、全国の様々なクリニックの取り扱いピルを比較し、自分に合ったピルを処方してくれる医師を見つけることができます。

オンライン診療で、あなたにぴったりのピルを見つける方法

多くのオンライン診療プラットフォームでは、取り扱っているピルの種類を公式サイトに明記しています。この記事の比較一覧表を片手に、各クリニックのサイトを見比べてみてください。

  1. あなたの悩みに合いそうなピル(例:ニキビが気になるから第3世代のファボワール)の目星をつける。
  2. そのピルを取り扱っているオンラインクリニックを探す。
  3. 問診票や診察時に、医師に「〇〇という理由で、ファボワールを希望しています」と具体的に伝える。

このように、主体的にピル選びに関わることで、より納得感のある処方に繋がります。当サイトでは、取り扱いピルの種類や料金、サービス内容を比較したランキングもご用意しています。あなたの「ピル探し」の第一歩として、ぜひご活用ください。

取り扱いピルで選ぶ!オンラインクリニック比較ランキングへ

まとめ:知識は、あなたを守る最強の武器

ピルの種類は、一見すると複雑で難解に見えるかもしれません。しかし、「用量」「世代」「相性」という3つの軸で整理すれば、それぞれの個性や得意なことが見えてきます。

この記事でご紹介した知識は、あなたの体を理解し、あなたの悩みに寄り添ってくれる「ベストパートナー」としてのピルを見つけ出すための、最強の武器となります。

もう、「なんでもいいです」と医師に丸投げする必要はありません。あなたの希望を、あなたの言葉で伝えてみてください。その主体的な姿勢こそが、より快適で、より安心なピルライフへの扉を開く鍵なのです。