生理前になるとおりものが増える…これって私だけ?
「生理の1週間前くらいから、おりものの量が急に増える」 「下着が湿っぽくなって、一日に何度も不快感を感じる」 「PMSの症状と重なって、さらにストレスを感じてしまう」
このような経験をしている女性は、実はとても多いんです。日本産科婦人科学会の調査によると、生理のある女性の約80%が「生理前のおりもの増加」を経験しており、その半数以上が「対処法がわからない」と回答しています。
生理前のおりもの増加は、女性の体が正常に機能している証拠でもあります。この記事では、なぜ生理前におりものが増えるのか、その科学的なメカニズムから、今すぐ実践できる対処法、そして生理周期に合わせた最新のフェムケア方法まで、詳しく解説していきます。
毎月訪れる不快感から解放され、生理前も快適に過ごせるようになりましょう。
なぜ生理前におりものが増えるの?ホルモンのメカニズムを解説
生理周期とホルモンバランスの関係
女性の体は、約28日周期で複雑なホルモンの変化を繰り返しています。特に生理前の時期は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が活発になり、これがおりものの量と質に大きく影響します。
月経周期の4つのフェーズとおりもの
1. 月経期(生理中:1-7日目)
- おりものはほとんどない
- 経血が主体
2. 卵胞期(生理後:8-13日目)
- おりものは少なめ
- サラサラとした質感
3. 排卵期(14日目前後)
- おりものが最も増える
- 透明で伸びのある質感(卵白のような状態)
4. 黄体期(生理前:15-28日目)
- おりものが再び増加
- 白っぽく粘度が高い
- 生理直前は特に量が増える
婦人科医からの解説:「生理前のおりもの増加は、プロゲステロンの作用により子宮頸管粘液の分泌が増えるためです。これは受精卵の着床に備える体の自然な準備であり、妊娠しなかった場合は生理として排出されます。個人差はありますが、正常な生理現象です。」
生理前におりものが増える具体的な理由
1. プロゲステロンの増加
排卵後、卵巣から分泌されるプロゲステロンは、子宮内膜を厚くし、妊娠に備えます。このホルモンの影響で:
- 子宮頸管からの分泌物が増加
- 膣内の粘液分泌が活発化
- おりものの粘度が上昇
2. 免疫力の変化
生理前は免疫力が低下しやすく、膣内の自浄作用を高めるために分泌物が増えます。これは体を守るための防御反応です。
3. 体温の上昇
基礎体温が高温期に入ることで、膣内の環境が変化し、分泌物の量が調整されます。
4. 水分代謝の変化
プロゲステロンの影響で体内に水分を溜め込みやすくなり、これがおりものの量にも影響します。
研究データ:東京女子医科大学の研究によると、黄体期(生理前)のおりもの量は、卵胞期(生理後)と比較して平均1.5-2倍に増加することが確認されています。また、この増加は生理の3-7日前に最も顕著になることが分かっています。(2023年日本産科婦人科学会誌より)
正常なおりものと注意すべきおりものの見分け方
生理前の正常なおりもの
- 色: 透明〜白色、やや黄みがかることも
- 質感: 粘り気がある、クリーム状
- 量: 普段より多め(下着が湿る程度)
- 臭い: 無臭〜やや酸っぱい臭い
受診を検討すべきおりもの
以下の症状がある場合は、感染症の可能性があるため受診をおすすめします:
- 異常な色: 黄緑色、灰色、血が混じる(生理以外で)
- 異常な質感: カッテージチーズ状、泡立っている
- 異常な臭い: 魚臭い、腐敗臭
- 随伴症状: 強いかゆみ、痛み、発熱
注意:生理前のおりもの増加自体は正常ですが、いつもと明らかに違う症状がある場合は、カンジダ膣炎、細菌性膣症、トリコモナス膣炎などの可能性があります。自己判断せず、早めに婦人科を受診しましょう。
生理前のおりもの増加に対する効果的な対処法10選
1. おりものシートの適切な使用
効果的な使い方
– 交換頻度: 2-3時間ごと(量が多い時は1-2時間ごと) – **素材選び**: オーガニックコットン製で通気性の良いもの – **サイズ**: 生理前は少し大きめサイズを選ぶ
使用上の注意点
– 就寝時は使用を控える(蒸れ防止) – かぶれやかゆみを感じたら一時中断 – 香料付きは避ける(刺激になる可能性)
2. 下着の工夫と選び方
生理前におすすめの下着
素材
- 綿100%:吸湿性と通気性に優れる
- シルク:抗菌作用があり肌に優しい
- 竹繊維:消臭効果と速乾性
形状
- ボクサータイプ:面積が広く安心感がある
- フルバック:お尻全体をカバーし漏れを防ぐ
避けたい下着
– 化学繊維100%(ポリエステル、ナイロン) – Tバックやひも状のもの – きつすぎるサイズ
3. デリケートゾーンの正しい洗い方
基本の洗い方
-
ぬるま湯で予洗い
- 35-37℃のぬるま湯で優しく流す
-
専用ソープを使用
- pH値が弱酸性のもの
- 泡立ててから優しく洗う
-
前から後ろへ
- 細菌の移動を防ぐため必ず前から後ろへ
-
しっかりすすぐ
- 石鹸成分が残らないよう丁寧に
-
優しく水分を取る
- タオルで押さえるように拭く
セルフケアのコツ:生理前は肌が敏感になっているため、いつもより優しく洗うことを心がけましょう。また、1日2回以上の洗浄は逆に必要な常在菌まで洗い流してしまうため避けましょう。
4. 食生活の見直し
積極的に摂りたい栄養素と食品
乳酸菌
- ヨーグルト、キムチ、味噌
- 膣内環境を整える効果
ビタミンB群
- 豚肉、納豆、卵
- ホルモンバランスを整える
ビタミンE
- アーモンド、アボカド、かぼちゃ
- PMSの症状緩和
食物繊維
- 野菜、海藻、きのこ類
- 腸内環境を整え、ホルモンバランスを安定化
控えめにしたい食品
– 糖分の多い食品(カンジダ菌の餌になる) – カフェイン(PMSを悪化させる可能性) – アルコール(免疫力を低下させる)
5. 適度な運動とストレッチ
骨盤底筋エクササイズ
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 膣を締めるように力を入れ5秒キープ
- ゆっくり力を抜いて5秒リラックス
- 10回を1セットとして、1日3セット
骨盤周りのストレッチ
- 猫のポーズ(キャット&カウ)
- 股関節回し
- 前屈ストレッチ
血流を改善し、骨盤内の環境を整えることで、おりものの状態も改善されます。
6. 水分摂取の最適化
適切な水分摂取量
– 1日1.5-2リットルを目安に – 一度に大量ではなく、こまめに摂取 – 常温または温かい飲み物を選ぶ
おすすめの飲み物
– 白湯 – ハーブティー(カモミール、ラズベリーリーフ) – 豆乳(イソフラボンでホルモンバランス調整)
7. 睡眠の質を高める
理想的な睡眠時間
– 7-8時間の睡眠を確保 – 23時までには就寝(ホルモン分泌のゴールデンタイム)
睡眠の質を上げる工夫
– 寝る2時間前からスマホを控える – 寝室を涼しく保つ(18-22℃) – アロマオイル(ラベンダー)の活用
8. ストレス管理
効果的なストレス解消法
- 深呼吸法: 4秒吸って、7秒止めて、8秒吐く
- 入浴: 38-40℃のお湯に15-20分
- 瞑想: 1日10分の瞑想でホルモンバランス改善
- 趣味の時間: 好きなことに没頭する時間を作る
9. サプリメントの活用
生理前の不調に効果的なサプリメント
- 月見草オイル: γリノレン酸でPMS症状緩和
- チェストベリー: ホルモンバランスを整える
- マグネシウム: 筋肉の緊張を和らげる
- プロバイオティクス: 膣内フローラを整える
※サプリメントは医師や薬剤師に相談の上、適切に使用しましょう。
10. 通気性を保つ生活習慣
日常生活での工夫
- スキニーパンツより、ゆったりしたボトムスを選ぶ
- 長時間座り続けない(1時間に1回は立ち上がる)
- 入浴後はドライヤーの冷風で乾かす
- 就寝時は下着を着けない、またはゆるめのものを選ぶ
「生理前は必ずおりものが増えて憂鬱でしたが、食生活を見直して、ヨーグルトを毎日食べるようにしたら、量が安定してきました。運動も始めて、PMSも軽くなった気がします。」(29歳・営業職)
「おりものシートをオーガニックコットンに変えて、下着も綿100%にしたら、かぶれなくなりました。初期投資は必要でしたが、快適さが全然違います。」(33歳・教師)
生理周期に合わせた賢いフェムケア戦略
周期別おりもの対策カレンダー
月経期(Day 1-7):リセット期
この時期の特徴
- おりものは少ない
- 経血が主体
- デリケートゾーンが敏感
おすすめケア
- 生理用品はこまめに交換
- 優しく洗浄(1日1回程度)
- 鉄分補給を意識
卵胞期(Day 8-13):準備期
この時期の特徴
- おりものは少なめでサラサラ
- 肌の調子が良い
- 体調が安定
おすすめケア
- 通常の下着でOK
- 予防的なケアを開始
- バランスの良い食事
排卵期(Day 14-16):ピーク期
この時期の特徴
- おりものが最も増える
- 透明で伸びがある
- 妊娠しやすい時期
おすすめケア
- おりものシート使用開始
- 吸水ショーツの活用
- 水分をしっかり摂取
黄体期前半(Day 17-21):変化期
この時期の特徴
- おりものが白っぽくなる
- 量が徐々に増加
- PMSの初期症状
おすすめケア
- おりものシートの交換頻度を上げる
- ストレス管理を意識
- カフェインを控える
黄体期後半(Day 22-28):調整期
この時期の特徴
- おりものが最も多い
- 粘度が高い
- PMS症状がピーク
おすすめケア
- 吸水ショーツを積極的に使用
- リラックスタイムを確保
- 温かい飲み物を摂る
データ:生理周期管理アプリ利用者1,000名の調査では、周期に合わせたケアを実践している女性は、していない女性と比較して「生理前の不快感が軽減した」と回答する割合が67%高いことが分かりました。(2024年フェムテック調査レポート)
基礎体温との連動
基礎体温を測るメリット
- 排卵日が予測できる
- おりものが増える時期が予測できる
- 体調変化を客観的に把握できる
基礎体温とおりものの関係
- 低温期(36.2-36.5℃): おりもの少なめ
- 排卵期(一時的に下がる): おりもの急増
- 高温期(36.7℃以上): おりもの多め、粘度高い
最新フェムケア!吸水ショーツで生理前も快適に
生理前こそ吸水ショーツがおすすめな理由
1. 量の変化に対応できる
生理前はおりものの量が日によって変化しますが、吸水ショーツなら:
- 少ない日も多い日も1枚で対応
- 急な増加にも安心
- 交換の手間がない
2. PMSの症状を軽減
- 締め付けがないため、お腹の張りを感じにくい
- 肌触りが良く、イライラを軽減
- 「漏れるかも」という不安から解放
3. 生理への移行がスムーズ
- 生理が始まってもそのまま使用可能
- 予定日前後の不安な時期も安心
- ナプキンとの併用も可能
4. 経済的メリット
年間コスト比較(生理前7日間×12ヶ月)
おりものシート使用:
- 1日3枚×7日×12ヶ月=252枚
- 年間約5,000-8,000円
吸水ショーツ使用:
- 初期投資:3-5枚で10,000-15,000円
- 2-3年使用可能
- 年間換算:3,000-7,500円
「生理前の1週間が本当に憂鬱でしたが、吸水ショーツを使い始めてから気持ちが楽になりました。おりものシートのズレや交換を気にしなくていいのが最高です。」(27歳・看護師)
「PMSでお腹が張る時期に、締め付けのない吸水ショーツは救世主でした。生理が始まってもそのまま使えるので、予定日前後の不安もなくなりました。」(31歳・デザイナー)
生理前に最適な吸水ショーツの選び方
吸水量で選ぶ
- 軽い日用(5-10ml): おりものが少なめの方
- 普通の日用(15-20ml): 一般的な量の方
- 多い日用(25-30ml): 量が多い方、生理初日にも対応
機能性で選ぶ
必須機能
- 抗菌・防臭加工
- 速乾性
- 通気性
あると便利な機能
- 冷え防止(温感素材)
- ウエスト調整可能
- サイドガード付き
デザインで選ぶ
- ハイウエスト:お腹をすっぽり包んで安心感
- レギュラー:普段使いしやすい
- ボクサー:動きやすく、スポーツにも
吸水ショーツの正しい使い方とお手入れ
使用方法
- 初回使用前: 一度洗濯してから使用(吸水力UP)
- 着用時間: 最長12時間(衛生面を考慮)
- 交換タイミング: 湿った感じがしたら交換
洗濯方法
-
予洗い
- 水またはぬるま湯で軽くすすぐ
- おりものが多い場合は、少し浸け置き
-
本洗い
- 洗濯ネットに入れる
- 中性洗剤で洗濯機洗い可能
- 柔軟剤は使用しない(吸水力低下)
-
乾燥
- 陰干しが基本
- 乾燥機は避ける(生地の劣化防止)
長持ちさせるコツ
- 3-5枚をローテーション使用
- 漂白剤は使用しない
- 定期的に酸素系漂白剤で除菌
- 型崩れしないよう平置き保管
重要ポイント:吸水ショーツは初期投資が必要ですが、生理前から生理中まで幅広く使用でき、長期的には経済的です。また、使い捨て製品を減らすことで環境にも優しい選択となります。自分のライフスタイルと体質に合わせて、最適な製品を選びましょう。
医師に相談すべきタイミングと症状
こんな症状があれば受診を
おりものの異常
- 色が黄緑色、灰色、血が混じる(生理期間外)
- 悪臭がする(魚臭い、腐敗臭)
- 量が異常に多い(1時間ごとにシート交換が必要)
- カッテージチーズ状、泡立っている
随伴症状
- 強いかゆみが3日以上続く
- 外陰部の痛みや腫れ
- 排尿時の痛みや違和感
- 下腹部痛
- 38℃以上の発熱
生理周期の異常
- 生理周期が21日未満または39日以上
- 生理期間が8日以上続く
- 生理と生理の間に不正出血がある
注意:「恥ずかしい」「大したことない」と受診を躊躇する方が多いですが、早期発見・早期治療が大切です。婦人科は女性の健康を守る味方です。症状が気になる場合は、遠慮なく受診しましょう。
受診時の準備
記録しておくと良い情報
- 最終月経開始日
- 生理周期(何日周期か)
- おりものの変化(いつから、どのような変化か)
- 使用している薬やサプリメント
- 性交渉の有無
持参すると良いもの
- 基礎体温表(測定している場合)
- お薬手帳
- 生理用ナプキン(内診後用)
よくある質問:生理前のおりもの増加Q&A
Q1. 生理前のおりもの増加は病気のサイン?
A. いいえ、生理前のおりもの増加は正常な生理現象です。プロゲステロンの分泌により起こる自然な変化で、多くの女性が経験します。ただし、色や臭い、質感に異常がある場合は、感染症の可能性があるため受診をおすすめします。
Q2. おりものの量を減らす方法はある?
A. おりものの量を完全にコントロールすることは難しいですが、以下の方法で不快感を軽減できます:
- ストレス管理(ストレスはホルモンバランスを乱す)
- 規則正しい生活リズム
- バランスの良い食事
- 適度な運動
Q3. 吸水ショーツは本当に臭わない?
A. 品質の良い吸水ショーツは抗菌・防臭加工が施されており、適切にケアすれば臭いはほとんど発生しません。ただし、12時間以上の連続使用や、洗濯後の乾燥が不十分な場合は臭いが発生する可能性があります。
Q4. ピルを飲むとおりものは減る?
A. 低用量ピルは排卵を抑制するため、排卵期のおりもの増加は抑えられます。ただし、個人差があり、逆に増える場合もあります。ピルの使用は医師と相談の上、決めましょう。
Q5. 妊娠するとおりものはどう変化する?
A. 妊娠初期は、プロゲステロンの増加により、おりものが増える傾向があります。また、白っぽく粘度の高いおりものが続くことが特徴です。ただし、これだけで妊娠を判断することはできないため、妊娠検査薬や医療機関での確認が必要です。
Q6. 更年期になるとおりものは減る?
A. はい、更年期になるとエストロゲンの減少により、おりものの量は減少します。これにより膣の乾燥を感じる方も多くなります。潤滑ゼリーや保湿剤の使用で対処できます。
医師からのアドバイス:「生理前のおりもの増加で悩む女性は多いですが、これは女性の体が正常に機能している証拠です。適切なケアと、自分に合った対処法を見つけることで、快適に過ごすことができます。不安な症状がある場合は、遠慮なく婦人科を受診してください。」
まとめ:生理前も快適に過ごすために
生理前のおりもの増加は、多くの女性が経験する自然な体の変化です。プロゲステロンの影響により起こるこの現象は、女性の体が正常に機能している証拠でもあります。
効果的な対処法のまとめ:
-
基本のケア
- おりものシートの適切な使用と交換
- 通気性の良い下着選び
- デリケートゾーンの正しい洗浄
-
生活習慣の改善
- バランスの良い食事
- 適度な運動とストレッチ
- 十分な睡眠とストレス管理
-
最新のフェムケア
- 吸水ショーツの活用
- 生理周期に合わせたケア
- 基礎体温の記録
特に吸水ショーツは、生理前から生理中まで幅広く使用でき、おりものシートによるかぶれや交換の手間から解放してくれる画期的なアイテムです。初期投資は必要ですが、長期的には経済的にも環境的にもメリットがあります。
大切なのは、自分の体のリズムを理解し、それに合わせた適切なケアを行うことです。完璧を求めすぎず、できることから少しずつ実践していきましょう。
毎月訪れる生理前の期間を、不快で憂鬱な時期ではなく、自分の体と向き合い、セルフケアを実践する大切な時期として捉えることができれば、より健康的で快適な毎日を送ることができるはずです。
最後に:生理前のおりもの増加は、決して恥ずかしいことではありません。適切な知識とケア方法を身につけることで、必ず改善できます。この記事が、あなたの快適な毎日のお役に立てれば幸いです。自分の体を大切にしながら、生理前も笑顔で過ごしましょう。