膣の乾燥・性交痛を改善｜更年期からの保湿ケアとおすすめアイテム

更年期を迎えると、多くの女性が経験しながらも相談しづらい悩みの一つが、デリケートゾーンの乾燥や性交痛です。実は、45歳以上の女性の約60%が何らかの膣の不快感を経験しているという調査結果があります。

これらの症状は、女性ホルモンの変化による自然な身体の変化ですが、適切なケアによって症状を和らげ、快適な日常生活を取り戻すことができます。

この記事では、なぜ乾燥や痛みが起こるのか、そして今日から始められる具体的なセルフケア方法、さらには「何を（どのアイテムを）使えば良いのか」という疑問に対して、医師監修の情報に基づいた具体的な選択肢まで、一歩踏み込んで解説します。

膣の乾燥・性交痛が起こる原因とメカニズム

膣の乾燥や性交痛は、主に女性ホルモンであるエストロゲンの減少によって引き起こされます。しかし、その原因は更年期だけではありません。年代や状況によって様々な要因が関係しています。

エストロゲン減少による影響

エストロゲンは、膣の健康維持に重要な役割を果たしています。このホルモンが減少すると、以下のような変化が起こります。

• 膣粘膜の変化： 膣壁が薄くなり、弾力性が低下
• 潤いの減少： 血流が減少し、潤いを保つ分泌物が減少
• pHバランスの変化： 膣内のpHバランスが変化し、酸性度が低下
• 抵抗力の低下： 常在菌のバランスが崩れやすくなる

更年期以外の原因

膣の乾燥は更年期だけの問題ではありません。以下のような要因でも起こることがあります。

ライフステージによる要因

• 授乳期（プロラクチンの影響でエストロゲンが低下）
• 産後の回復期
• 月経前後のホルモン変動期

医学的要因

• 抗エストロゲン薬の服用（乳がん治療など）
• 化学療法や放射線治療の影響
• 卵巣摘出手術後
• 自己免疫疾患（シェーグレン症候群など）

生活習慣による要因

• 過度なストレス
• 喫煙（血流を悪化させる）
• 過度な洗浄や不適切なケア
• 脱水や栄養不足

膣の乾燥・性交痛の具体的な症状と日常への影響

症状は個人差が大きく、日によって変化することもあります。自分の症状を正確に把握することが、適切なケアの第一歩となります。

よく見られる症状

日常生活での症状

• デリケートゾーンのかゆみや違和感
• 下着との摩擦による不快感
• 座っているときの圧迫感
• 歩行時の違和感
• 排尿時の軽い痛みや頻尿

性生活での症状

• 挿入時の痛みや困難
• 性交中の痛みや出血
• 性的興奮があっても潤いが不足
• 性交後の痛みや腫れ
• 性生活への不安や恐怖感

QOL（生活の質）への影響

膣の乾燥や性交痛は、身体的な不快感だけでなく、精神的・社会的な面にも影響を与えることがあります。

• パートナーとの関係性への不安
• 女性としての自信の低下
• 外出や運動を控えるようになる
• 医療機関への受診をためらう
• 一人で悩みを抱え込む

これらの悩みは決して珍しいものではなく、多くの女性が経験しています。適切な情報とケアで、必ず改善への道筋が見つかります。

【対策の全体像】今すぐ始めるべき3つのアプローチ

膣の乾燥や性交痛に対するアプローチは、一つではありません。現在の状況や悩みの深さに応じて、これらを組み合わせて行うことが重要です。

1. 日常の保湿ケア（土壌改善）
   根本的な潤いを取り戻すための毎日の習慣。
2. 性交痛の即時対策（潤滑ケア）
   「今、痛い」を解決するための直接的なアプローチ。
3. 医療機関での治療オプション
   セルフケアで改善しない場合の専門的な治療。

まずは自宅でできる「アプローチ①：日常の保湿ケア」と「アプローチ②：性交痛の即時対策」から詳しく見ていきましょう。

アプローチ①：日常の保湿ケア（土壌改善）

膣の乾燥対策の基本は、顔のスキンケアと同じく「洗いすぎず、しっかり保湿する」ことです。これを「土壌改善」と捉え、日々の習慣にすることが根本的な解決への第一歩です。

デイリーケアの基本

1. 適切な洗浄方法

デリケートゾーンの洗いすぎは、かえって乾燥を悪化させます。

• ぬるま湯で優しく洗う（石鹸は外陰部のみ）
• 膣内は洗わない（自浄作用があるため）
• 専用のソープを使用する場合は低刺激性のものを選ぶ
• タオルで優しく押さえるように水分を取る

2. 保湿剤の定期的な使用

膣用保湿剤は、症状の程度に応じて以下のように使い分けます。

• 予防的ケア：週2-3回の使用
• 軽度の乾燥：毎日1回の使用
• 中程度以上：1日2回または医師の指示に従う

 

3. 生活習慣の改善

• 十分な水分摂取（1日1.5-2リットル）
• バランスの良い食事（大豆製品、ビタミンE豊富な食材）
• 適度な運動（骨盤底筋体操など）
• ストレス管理（ヨガ、瞑想、趣味の時間）
• 禁煙・節酒

【重要】保湿剤の「成分」徹底比較：自分に合った選び方

「保湿剤」といっても、成分は様々です。それぞれの特徴を理解して、自分に最適な製品を選びましょう。

保湿剤の「タイプ別」特徴と選び方

成分と合わせて、使用感の「タイプ」も重要です。ライフスタイルに合わせて選びましょう。

【ジェルタイプ】

• 特徴： さらっとした使用感、べたつきが少ない
• おすすめの方： 日常的な保湿ケアをしたい方、初めて使用する方
• 使用シーン： デイリーケア、軽度の乾燥

【クリームタイプ】

• 特徴： 濃厚な保湿力、持続時間が長い
• おすすめの方： 乾燥が強い方、夜間の集中ケアをしたい方
• 使用シーン： 就寝前のケア、中程度以上の乾燥

【オイルタイプ】

• 特徴： 高い保湿力、肌を柔らかくする、マッサージにも使用可能
• おすすめの方： 更年期以降の強い乾燥がある方、エイジングケアもしたい方
• 使用シーン： 毎日の入浴後、週1-2回の集中ケア

【コラム】更年期世代が選ぶべき「もう一歩先」のケアとは？

ここまで様々な保湿ケアを紹介しましたが、更年期による乾燥は、冒頭でお伝えした通り「エストロゲンの減少」という根本的な原因があります。

もちろん、ヒアルロン酸やグリセリンで「潤いを補う」ことは非常に重要です。しかし、それだけでは物足りなさを感じる場合、「なぜ乾燥しているのか」という原因そのものにアプローチする視点も大切です。

そこで注目したいのが、女性ホルモン成分（天然エストラジオール）を配合したケアアイテムです。

「誰にも言えない」という開発者自身の悩みから生まれた「FemMoon（フェムムーン）」は、まさにその視点で作られた専門医師監修のフェムケアオイルです。

アプローチ②：性交痛の即時対策（潤滑ケア）

アプローチ①は「土壌改善」のための日常ケアでした。しかし、「今すぐ、性交時の痛みをなんとかしたい」という切実な悩みには、別の対策が必要です。

それが「潤滑ケア」です。

「保湿」と「潤滑」は目的が違う

この2つの違いを理解することが非常に重要です。

• 保湿（アプローチ①）：
  日常的に使い、膣の粘膜自体に潤いを与え、乾燥した状態を根本から改善する（＝土壌改善）。
• 潤滑（アプローチ②）：
  性交時に使い、摩擦を減らして滑りを良くし、痛みなく挿入・行為ができるようにする（＝即時的対策）。

どれだけ日常の保湿ケアを頑張っても、体調や興奮度合いによっては性交時に潤いが足りないことはあります。その時に痛みを我慢する必要は一切ありません。

性交痛を我慢しないための「潤滑ゼリー」活用術

性交痛がある場合は、潤滑ゼリー（ローション）で症状を和らげることができます。

• 性交前に十分な量を使用する
• 水溶性のものを選ぶ（オイルベースは避ける）
• パートナーと一緒に選ぶことで理解を深める
• 痛みがあることを正直に伝え、無理のないペースで進める

【選択肢】性交痛の悩みに特化した「ハーソリューションジェル」

「潤滑ゼリー」と聞くと、アダルトなイメージを持つかもしれませんが、近年は更年期世代の性交痛緩和のために開発された、高品質なアイテムが多数登場しています。

「ハーソリューションジェル」は、まさにそうした「痛みを我慢したくない」と願う女性たちのために作られた、性交痛の緩和に特化した潤滑ジェルです。

アプローチ③：医療機関での治療オプション

セルフケア（アプローチ①、②）で改善が見られない場合や、症状が重い場合は、我慢せずに医療機関での治療を検討しましょう。

ホルモン補充療法（HRT）

エストロゲンを補充することで、根本的な改善が期待できます。

局所的ホルモン療法

• 膣錠や膣用クリームでエストロゲンを直接補充
• 全身への影響が少ない
• 週2-3回の使用で効果が期待できる

全身的ホルモン療法

• 飲み薬やパッチでホルモンを補充
• 膣の症状以外の更年期症状にも効果
• 医師による定期的な管理が必要

 

その他の医療的アプローチ

レーザー治療

• 膣粘膜の再生を促進
• 3-4回の施術で効果が期待できる
• 保険適用外のため費用確認が必要

骨盤底筋トレーニング指導

• 理学療法士による専門的な指導
• 膣の血流改善と筋力向上
• 自宅でも継続可能

年代別おすすめケアプラン

年代によって必要なケアは異なります。自分の年代に合わせた対策を行いましょう。

40代：予防的ケアを中心に

• 基礎的な保湿ケア（保湿ジェルなど）の習慣化
• ストレス管理の重要性を認識
• 定期的な婦人科検診の受診
• パートナーとのコミュニケーション強化
• 必要に応じて潤滑ゼリーを使用

50代：積極的なケアと医療相談

• 日常的な保湿ケア（高保湿クリームや保湿オイル）の実施
• 症状に応じた製品の使い分け
• 医療機関での相談を検討
• 生活習慣の総合的な見直し
• 質の良い潤滑ゼリーの常備

60代以降：医療と連携した総合ケア

• 医師と相談しながらのケア計画
• 必要に応じたホルモン療法の検討
• 継続的な保湿ケア（エイジングケアもできる保湿オイルなど）の実施
• QOL向上を目指した包括的アプローチ

パートナーとのコミュニケーション方法

デリケートな悩みだからこそ、パートナーとの理解と協力が大切です。

話し合いのきっかけ作り

タイミングを選ぶ

• リラックスした雰囲気のとき
• 二人きりでゆっくり話せる時間
• 性行為の直前直後は避ける

伝え方の工夫

• 「更年期の自然な変化」として説明
• 医学的な情報を共有する（この記事を見せるのも◎）
• 一緒に解決策を考える姿勢を示す
• 相手を責めない、自分も責めない

二人で取り組めること

• 保湿剤や潤滑ゼリーを一緒に選ぶ
• スキンシップの方法を工夫する
• お互いの気持ちを定期的に確認する
• 必要であれば専門家のカウンセリングを受ける

よくある質問（Q&A）

Q1. 保湿剤と潤滑ゼリーの違いは何ですか？

A. 目的が全く異なります。
「保湿剤」（例：FemMoonなどのオイルやクリーム）は、膣の乾燥を改善するために日常的に使用し、膣内の水分を保持する目的（＝土壌改善）で使います。
一方、「潤滑ゼリー」（例：ハーソリューションジェル）は、主に性交時の摩擦を減らすために使用します（＝即時的対策）。
両方をうまく使い分けることが、快適な生活への近道です。

Q2. 市販の保湿剤でかゆみが出た場合はどうすればいいですか？

A. すぐに使用を中止し、ぬるま湯で優しく洗い流してください。症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。別の製品を試す場合は、成分が異なるものを選び、腕の内側などでパッチテストを行ってから使用することをおすすめします。

Q3. ホルモン療法を受けられない場合の代替策はありますか？

A. はい、あります。非ホルモン性の膣用保湿剤（この記事で紹介したオイルやジェルなど）の定期使用、レーザー治療、骨盤底筋トレーニング、漢方薬、植物エストロゲンを含む食品の摂取などが選択肢となります。医師と相談して最適な方法を見つけてください。

Q4. 保湿剤はどのくらいの期間使い続ける必要がありますか？

A. 症状の改善には個人差がありますが、一般的に2-4週間の継続使用で効果を実感される方が多いです。症状が改善しても、予防的に週2-3回の使用を続けることで、良い状態を維持できます。

Q5. 性生活がない場合でも保湿ケアは必要ですか？

A. はい、必要です。膣の乾燥は性交痛だけでなく、日常生活での不快感、かゆみ、感染症のリスク増加などにつながります。性生活の有無に関わらず、デリケートゾーンの健康維持のために「アプローチ①：日常の保湿ケア」をおすすめします。

まとめ：自分らしく快適な毎日を取り戻すために

膣の乾燥や性交痛は、多くの女性が経験する自然な身体の変化です。恥ずかしがったり、年齢のせいだと諦める必要はありません。適切な保湿ケアと、必要に応じた医療的サポートにより、症状は確実に改善できます。

大切なのは、自分の身体の変化を理解し、自分に合ったケア方法を見つけることです。

• 日常の「土壌改善」のための保湿ケア（FemMoonなど）
• 「今すぐの痛み」を解決する潤滑ケア（ハーソリューションジェルなど）

これらの選択肢を正しく理解し、生活習慣の見直し、パートナーとのコミュニケーション、そして必要であれば医療機関での相談まで、様々な方法を組み合わせてみてください。

更年期以降も、女性として充実した生活を送ることは十分可能です。デリケートゾーンの健康は、全身の健康とQOL（生活の質）に直結しています。一人で悩まず、適切な情報とサポートを活用しながら、自分らしく快適な毎日を取り戻していきましょう。

※本記事で紹介した製品の効果には個人差があります。
※症状が続く場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。